命を犠牲にして村を守った日本飛行兵を祀る【飛虎将軍廟】
台湾南部の台南市には、日本の軍人を祀る珍しい廟があります。その名も「飛虎将軍廟」。
第二次世界大戦の激戦地台湾で、命と引き換えに村を守ったとされる日本の飛行兵が祀られています。
本記事では、2023年10月に訪問した際に撮影した写真を添えて飛虎将軍廟の歴史とその背景にある感動的な物語についてご紹介します。
1. 飛虎将軍廟とは
飛虎将軍廟は、台南市安南区にある民間信仰の廟です。正式名称は「鎮安堂飛虎将軍廟」。1971年に建立されたこの廟は、第二次世界大戦で戦死した日本の飛行兵、杉浦茂峰(すぎうら・しげみね)少尉を祀っています。
杉浦少尉は、1944年10月12日、台南上空での空中戦で撃墜されました。しかし、彼は、落下地点が村であることを察知し、自機を郊外まで操縦してから脱出しました。しかし、落下傘で降下中に米軍機の機銃掃射を浴び、20歳の若さで戦死しました。
村人たちは、杉浦少尉の命がけの行動に深く感謝し、彼の霊を祀るために飛虎将軍廟を建立しました。飛虎将軍廟は、杉浦少尉の功績を称えるとともに、戦争の悲惨さを訴え、平和の大切さを祈念する場所となっています。
2. 杉浦茂峰少尉の物語
杉浦茂峰少尉は、1923年、茨城県水戸市に生まれました。1942年に海軍航空隊に入隊し、1944年に台南に配属されました。杉浦少尉は、訓練生時代から優秀な操縦士として知られており、高い飛行技術と強い責任感を持っていました。
1944年10月12日、杉浦少尉は、台南上空で米軍機と空中戦になりました。激しい戦闘の末、杉浦少尉の機は撃墜されました。
しかし、彼は、落下地点が村であることを察知し、自機を郊外まで操縦してから脱出しました。落下傘で降下中に米軍機の機銃掃射を浴び、20歳の若さで戦死しました。
杉浦少尉の死は、村人たちに大きな悲しみをもたらしました。同時に、彼の命がけの行動に深い感謝の気持ちも生まれました。
村人たちは、杉浦少尉の霊を祀るために飛虎将軍廟を建立し、彼の功績を称え続けました。
3. 飛虎将軍廟の見どころ
飛虎将軍廟は、それほど大きくはありませんが、静謐な雰囲気に包まれた、心が落ち着く場所です。廟内には、杉浦少尉の写真や遺品などが展示されています。
日本からも多くの参拝客が毎年のように訪れてくるということです。
また、廟の奥には、杉浦少尉が戦死した場所とされる小高い丘があります。
4.アクセス
廟から徒歩10分以内にバス停があります。台南駅前バス停から約20分程度です。