インドネシアの首都ジャカルタの中心部に独立記念塔【モナス】があります。2023年6月に初めてジャカルタを訪問した際に現地の方からお薦めされたのがこのモナスです。2024年7月に地下の博物館まで入場しましたので、本記事ではモナスの紹介と入場方法などをお知らせしていきます。
モナスとは?インドネシアの魂が宿る記念碑
ジャカルタの中心部、ムルデカ広場にそびえ立つモナスは、インドネシア独立の象徴として国民から愛される記念碑です。高さ132メートルの白い大理石の塔は、遠くからでもその存在感を放ち、ジャカルタのランドマークとして君臨しています。
モナスの歴史と誕生秘話
モナスの建設は、インドネシア初代大統領のスカルノ氏の強い意志によって実現しました。スカルノ氏は、インドネシアの独立を記念し、国民の誇りとなるようなモニュメントを建設したいと考えていました。
1961年に着工し、1975年に完成したモナスは、インドネシアの歴史と文化を凝縮したような存在です。塔頂には純金製の炎の彫刻が輝き、インドネシアの独立と繁栄を象徴しています。
モナスの象徴する意味
モナスは単なる記念碑ではなく、インドネシア国民にとって以下のことを象徴しています。
- 独立の象徴: インドネシアの独立を記念して建てられたモナスは、国民の誇りであり、独立の精神を象徴しています。
- 統一の象徴: 多様な民族が暮らすインドネシアにおいて、モナスは国民を一つに結ぶ象徴的な存在です。
- 発展の象徴: インドネシアの未来への発展を願い、建てられたモナスは、国民の希望を象徴しています。
モナスのデザイン
モナスのデザインにも意味が込められています。
- 炎の形をした頂上: インドネシアの独立の炎を象徴し、永遠に燃え続ける自由の精神を表しています。
- 白い大理石: 純粋さと平和を象徴しています。
モナス内部
モナス内部には、歴史博物館や展望台があり、訪れる人を飽きさせません。
- 歴史博物館: 地下にある歴史博物館では、インドネシアの古代から現代までの歴史を、ジオラマや展示物を通じて学ぶことができます。特に、独立戦争の様子を再現したジオラマは必見です。
- 展望台: エレベーターで110メートルの高さにある展望台まで上がると、ジャカルタの街並みが一望できます。晴れた日には、遠くの山々まで見渡せることも。
モナスの入場方法 電子マネーカード【JakCard】が必要です!
入場口(エントランス)
モナスの入場口は分かりにくいです。塔の下部ではなくて塔の正面から反対に向いたところに上記の写真の入場口があります。ここから地下に入ってチケットを買って地下通路を通って塔に向かいます。
階段を上がって左に地下に降りる階段があります。降りたところがチケット売り場です。
チケット売り場と入場料 注意:JakCardが必要です!
チケット売り場の上部に入場料が掲げてあります。2024年7月時点で、地下の博物館だけなら8000ルピア(約80円)、展望台まで行く場合は24,000ルピア(約240円)でした。子どもと学生は割引料金です。(日本の学生証が通じるのかは検証できていません)
気をつけなければならないのは、この金額の現金では入場できないということです。支払いはDKI銀行発行の電子マネーカードの【JakCard】からの支払いしかダメだということです。私は初回に入場しようとして8000ルピアを出したら、5万ルピアだと言われました。その時は意味がわからなくて入場を諦めて帰ったのですが、調べてみると料金はJakCardのチャージ分から支払われ、カードを持っていなかったらこの窓口で新規カードの購入を含めて5万ルピアが必要になるということです。
もちろん、このカードはそれからも電子マネーカードとして使えますし、残高は交通機関や買い物に使えます。私はこれより先ににバスに乗るためにJakCardを所持していましたので、来る前にチャージしてから来ました。
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よくわからないのが、モナスは国の施設ですが、入場の業務をJakCardを発行しているDKI銀行が独占しているのでしょうか?窓口でもらったレシートにはDKI銀行のロゴが印刷されていました。他の電子カードを利用している人はどうなるのでしょうか?わざわざこのためにJakCardを買わなければならないのでしょうか?
支払いが済むとチケットとして何か貰えるのではなく、JakCardが返却されます。地下通路を進むと駅の改札のようなゲートがありますので、そこでJakCardをかざして入場します。
地下博物館 インドネシアの歴史と独立の資料
地下の改札を通るといったん地上に出ます。そこは塔の真下になります。そこから地下の博物館に降りていきます。
広い展示場の壁面に沿ってインドネシアの原始時代からの歴史がジオラマと人形を使って展示してあります。原始から古代王朝の成立、オランダの植民地時代と抵抗の歴史、大東亜戦争時の日本の統治時代、戦後の独立戦争と国家の樹立、その後の選挙や議会など発展の歴史がブースごとに展示してあります。
説明文はインドネシア語と英語で書いてあります。地下は携帯の電波が届かなかったので、翻訳アプリのカメラ機能は使えませんでした。英語の字面を眺めながらだいたいのところを推測しました。
このジオラマは1945年8月17日(日本が敗戦したわずか2日後)に初代スカルノ大領が独立宣言をした場面です。(ちなみにデビ夫人の旦那さんです)
独立後もイスラム教、軍部、共産党の間で大きな争いがあったことはこの展示で初めて知りました。
その他、1955年にバンドンで開催されたアジア・アフリカ会議(通称バンドン会議)がその後冷戦構造に属さない第三世界や非同盟諸国という言葉を生むきっかけになったことも大きく展示してありました。
展示場を一周すると展示物は終わりです。階段を登って地上に出ます。
出たところが出口になります。博物館だけの人はそのまま退出して、塔の展望台まで登る人はそこから塔の下にある入り口から入場します。
モナスを訪れる際の注意点
- 服装: モナスは神聖な場所とされているため、露出の多い服装は避けましょう。
- 持ち物: カメラや飲み物など、必要なものは持参しましょう。
- 混雑状況: 祝日や週末は特に混雑するので、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。
最後に
モナスは、インドネシアの歴史と文化を象徴する重要な場所です。ジャカルタを訪れた際は、ぜひモナスに足を運んで、インドネシアの魂に触れてみてください。
その際、できるだけおおまかにでもインドネシアの歴史を事前に学習しておくと分かりやすいと思います。