【セブ島】マゼランの十字架とサントニーニョ教会とサンペドロ要塞

フィリピン
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セブ島の代表的な観光名所にマゼランの十字架、サントニーニョ教会、サンペドロ要塞があります。この3箇所は距離が近いので一度に訪れる方が多いと思います。本記事は2023年11月に実際にセブ島を訪問した体験をもとに案内をさせていただきます。

マゼランの十字架(マゼランクロス)

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はじめに

なぜセブ島にマゼランに関する施設があるのでしょうか。

マゼランとは

フェルディナンド・マゼランは、16世紀の大航海時代を代表する航海者の一人です。ポルトガル生まれですが、スペイン王カルロス1世の支援を受け、歴史上初めて地球を一周するという偉業を成し遂げました。

マゼランの航海

1519年、マゼランは5隻の船団を率いてスペインを出航しました。彼の目的は、西回りでモルッカ諸島(香料諸島)に到達し、スペインに香辛料を運ぶ新たな航路を開拓することでした。

  • マゼラン海峡の発見: 南アメリカ大陸の南端で、後に彼の名前にちなんで名付けられることになるマゼラン海峡を発見しました。この海峡を通過することで、太平洋へと進出することができました。
  • 太平洋横断: マゼラン海峡を通過後、太平洋を横断しました。この間、食料や水の不足に苦しみ、多くの船員が命を落としました。
  • フィリピンへの到達: 太平洋を横断した後、フィリピン諸島に到達しました。しかし、現地の人々との衝突に巻き込まれ、マゼラン自身は戦死してしまいます。
  • 世界一周の達成: マゼランの死後、残された船団は1隻となり、部下たちはなんとかスペインに帰還しました。この航海の成功により、地球が丸いことが証明され、世界地図は大きく書き換えられました。
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マゼランの功績とその後

マゼランの航海は、地理学や天文学の発展に大きく貢献しました。また、スペインの植民地拡大にもつながり、世界史の流れを大きく変えることとなりました。

しかし、マゼランの航海は、原住民との衝突や多くの船員の犠牲を伴うものでもありました。セブ島を服従させキリスト教に改宗を強制させたマゼランは次にマクタン島でも同様の要求をしましたが、島の首領でイスラム教徒の部族長ラプラプとのマクタン島の戦いで戦死しました。

現在、彼の扱いは複雑で、肯定的な評価と否定的な評価が共存しています。

肯定的な評価

  • キリスト教の布教: マゼランは、セブ島にキリスト教を初めて紹介した人物として、歴史に名を残しています。現在、セブ島はフィリピンで最もカトリック教徒が多い地域の一つであり、マゼランの布教活動がその礎を築いたという評価もあります。
  • スペインとの関係構築: マゼラ​​ンの航海は、スペインとセブ島との間の関係を築くきっかけとなり、後のスペイン統治へと繋がりました。
  • 歴史的遺産: マゼランがセブ島に持ち込んだサントニーニョ像は、現在もサントニーニョ教会に安置されており、多くの信者に崇拝されています。

否定的な評価

  • 侵略者: マゼランは、ヨーロッパ人によるアジアへの侵略の象徴として捉えられることもあります。彼の航海は、後の植民地支配や文化の同化につながり、セブ島の伝統文化に大きな影響を与えました。
  • 原住民との衝突: マゼランは、セブ島の原住民との間で武力衝突を起こし、多くの犠牲者を出しました。このため、マゼランを侵略者として捉える人もいます。

その後のマゼランの十字架

マゼランが建てた十字架ですが、長い年月をかけて十字架は人々に持ち去られ、現在の十字架は複製となります。オリジナルの破片は、教会内に安置されています。マゼランの十字架は、フィリピンにおけるキリスト教の布教の始まりを象徴する重要な歴史的遺物です。

サントニーニョ教会(幼きイエス教会)

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サントニーニョ教会は、1565年にスペイン人によって建てられたフィリピン最古の教会です。教会内には、幼いイエス・キリスト像であるサントニーニョが祀られており、多くの信者が訪れます。

サントニーニョは、セブ島の守護聖人の一人であり、毎年1月第3日曜日に開催されるシヌログ祭は、サントニーニョを祝うフィリピン最大の宗教行事の一つです。

ロウソク売り

マゼランの十字架とサントニーニョ教会の周囲にはロウソクを売ってる女の人が多くいます。

教会の前には燭台があり、買ったロウソクを奉納することができます。

また、ロウソクを買うとお祈りの歌を歌ってくれます。

サンペドロ要塞

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フィリピン最古の要塞

スペイン統治時代の1565年に建設が始まり、約200年の歳月をかけて完成したこの要塞は、フィリピン最古の要塞として知られています。

サンペドロ要塞の歴史と役割

  • スペイン統治時代の要塞: サンペドロ要塞は、スペイン人によってセブ島を征服後、イスラム教徒や海賊からの攻撃に備えて建設されました。三角形の稜堡式という堅固な構造が特徴で、セブ島の防衛拠点として重要な役割を果たしました。
  • 多様な役割: 歴史の中で、サンペドロ要塞は監獄や兵舎、そして時には総督の住居としても利用されてきました。セブ島の歴史を語る上で欠かせない場所なのです。
  • 現代の憩いの場: 現在では、サンペドロ要塞は博物館として一般に公開されており、歴史好きはもちろん、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。要塞内には、当時の様子を伝える資料や展示物が数多く展示されています。

まとめ

スペインによって植民地化され、キリスト教に改宗されてしまったセブ島を始めとするフィリピンですが、現在国民の大多数がカトリックの信者という現実があります。マゼランの十字架もサントニーニョ教会も今では信者の信仰の場所になっています。

マゼランの十字架とサントニーニョ教会は隣にあり、サンペドロ要塞も徒歩でも行ける距離です。セブ島に行かれる機会があればぜひこれらを訪れて世界史について思いを馳せるのもいいでしょう。


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