インド最大の聖地バラナシ ガンジス川のガートと街並・夜の火の儀式

インド

2024年3月、デリーの次にインドのヒンドゥー教の最大の聖地であるバラナシに1週間滞在しました。初めてのインド滞在でしたが、漠然といつかはインド旅行に行きたいと思っていた頃からバラナシは必ず訪問したい都市として考えていました。

バラナシはどんな街?

バラナシは北インドのガンジス川沿いにあります。古代の王国の首都も置かれた伝統的な政治経済宗教の中心地でした。

ガンジス川に沿って建物が並び、階段状の沐浴場である【ガート】が点在して終日ヒンドゥー教徒の参拝が絶えません。また、インドでも有数の観光地でもあり年間に1000万人以上の観光客が訪れるといいます。

ガートの階段を登った上に旧市街と言われる街並みがあり、古い建物の間に迷路状の狭い通路が張り巡らされていて、そこを牛やバイクも通っていきます。通路には牛の落とし物もたくさん落ちていて慣れないと歩くのさえ困難です。

この旧市街にもホテルはありますが、旅の上級者向けの施設で一般の旅行者はガートから少し離れた市街地のホテルに宿泊した方が無難です。

ガンジス川のガートと火葬場

ガート

建物はガンジス川の上流に向かって左側にしかありません。ガートの向こう岸は何もない川岸です。ガートは川の上流から下流まで大小たくさんあり、日本でも有名なのが中心部の一番大きな【ダシャーシュワーメードガート】です。ここが最も人が多く絵になるのでテレビ番組や観光写真などで使われています。端の方のガートでは人も少なく沐浴もゆっくりできるようですが、やはりインド人も中心部で沐浴したいのでしょうか。

火葬場

2ヶ所の火葬場があり、昼夜問わず遺体が荼毘に付されています。運び込まれた遺体はきらびやかな布で巻かれガンジス川につけられて火葬されます。遺灰はガンジス川に流されます。

亡くなってから運ばれる場合もありますが、死期が近い人がこの地で死を待つための施設(ホスピスと呼ばれていましたが、コンクリートで作られた殺風景な建物でした。ここに親族と一緒にやってきて死を待つということです。

この火葬場は宗教的に重要な施設ですので写真撮影は絶対禁止です。しかし、ガイドと一緒に敷地内に入ることは可能で、川岸の露天のスペースに布に包まれて置かれたご遺体、今まさに焼かれているご遺体、さっきまで火葬が行われていたであろう熱をもったスペースを間近で見ることができます。

川岸から土手に登って行くにつれて身分(カースト)の高い人の火葬場で、建物の中の火葬場はかなり高い身分の人のためのものだということでした。

無料のガイド、だけど寄付金は必要

隣のガートから火葬場をうかがっていると、無料でガイドをするという人から声をかけられました。あとでお金を要求されても突っぱねる自信があったのでついて行くことにしました。

火葬場の中は上記で書いたような光景で衝撃的でした。一通り案内してもらってから建物の中に入ってそこで別の人から薪代を寄付してほしいと言われました。彼から無料だと聞いたと言ったところ、ガイドは無料だが寄付は必要と言われました。最低で1500ルピー(3000円弱)あまりに当然という態度だったので断ってそのままそこを去りました。最初からそう言えばいいのに。

今後火葬場に行かれることがあって薪代を寄付してもいいということでしたら、中にも入れますので納得してガイドをしてもらうのもアリかと思います。

夕方のプジャ

ガートでは毎日夕方になるとプジャという礼拝が行われます。これはガートに設置された舞台で火を使って祈りを捧げるものです。祈りと音楽をスピーカーで流して行われる賑やかな行事です。中心部の【ダシャーシュワーメードガート】には多くの人が集まって観覧しています。舞台に近い有料の席もありますが後方の無料の席もあります。私は2時間前に来て無料席の最前列に座りました。

儀式はまだ明るいうちから始まりましたが、暗くなって闇に火が映える頃には立ち見も大勢見学するほどの観客になりました。途中何度か祈りに合わせて客席も大きな声で何か言っていましたが、残念ながら私には分かりませんでした。

正直な感想を言うと、もっと古代からの伝統的な儀式を想像していましたのでスピーカーから大音量の音楽を流しながらと言うのが「これじゃない」という感じでした。あくまでも個人の感想です。集まった多くの観客は満足しているようでした。

一般市民の住宅地

ガンジス川と旧市街から少し離れるとそこは一般市民の住むエリアです。ここも住宅地の内部は狭い路地が迷路のようになっています。Googleマップで徒歩のルート検索をするととんでもない路地を歩かされることもあります。行けるとはわかっていても「もっと他の道があるのでは?」と思ってしまいます。

しかし、そのような路地を歩いていると予期しないいいこともあります。その街の本当の一般庶民と出会って日本人と分かればとてもフレンドリーに声をかけてくれたり握手ぜめになったりします。観光名所のぼったくり詐欺師とはまったく違う、これが本来のインドの人たちなんだろうと思います。バラナシに限らず、観光地にいる商売人やタクシー運転手だけがインド人ではありません。事前に見る旅行ブログやYouTubeチャンネルは一面でしかないことはどうか心に留めておいてください。

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